ステラセプト キャプテンステラ 第三話:森のキノコにご用心
男はうっそうと茂る森の中を歩き続けた。
木々がなぎ倒され、道なき道を一層険しくしている。
一体何があったのか、それまでおとなしかった主が急に暴れ始めてから、その森は荒れ果てていた。
鳴り響く地面をたたくような音、木の倒れる音の聞こえてくる大体の距離感から、茂みをかき分けながら進む男は、目指す相手がそう遠くない場所にいる事を確信していた。
不意に目の前が開け、広場のような場所に出る。
その時男は相手も自分の存在に気付いたであろう事を察知した。
さきほどまでの騒音が嘘のように、森の中の空気がしんと静まり返っている。
広場の真ん中あたりから巨大なキノコのカサが頭を出し、そのままムクムクと大きく膨らんでいく。
大地の呪縛から抜け出すように、森の主は、キノコとイカをかけ合わせたようなそのグロテスクな姿を宙に浮かべていた。
「カレーを食べそこなって機嫌が悪いんでね」
男は背負った2丁の銃を抜くと両手に構える。
「手っ取り早く勝負をつけようか」
というわけで、キャプテンステラのボスソロ、第二弾はVSメラクです。
メラクとはおおぐま座、いわゆる北斗七星を構成する星のひとつでおおぐま座ベータ星の固有名「メラク」に由来します。
メラクはアラビア語で「腰」を表す言葉です。
ちなみにドゥーペはおおぐま座アルファ星の固有名「ドゥーペ」に由来します。
ドゥーペとはアラビア語で「熊」の意味。
熊なのにフグ。
メラクも正直さほど言及するほどでもないレベルのボスです。
火力に重きを置いている固定砲のキャラでも攻撃を普通に受けながら余裕で倒せます。
メラクアークは魔撃+100という、本当に初期の初期しか使用しない結構な「外れ」アーク(まぁ初期マップで手に入るアークですし、初期武器に付けるアークとしてはこれでもいいのかなという気はしますが)なのでアーク目当てで狩られる事は無いのですが、なぜかいつ見ても留守が多く、本来メラクが浮いているべき場所には巣玉が転がっている事が多いです。
なぜアークが魅力的でもないメラクがこれほど頻繁に狩られるのか。
理由はメラクの湧く場所にあると考えられます。
メラクの湧く場所は上層区から入って森を進み、左に曲がるとメグレズ湿原、右に曲がるとフェクダの滝という丁度その分岐点にあたります。
初期のマップはメラクの森を起点に左回りがメグレズ→タビト→メイサ→アリオト→フェクダ→メラクと輪のようにつながっており、その横にドゥーペがくっついているような配置になっています。
地図について考えてみる
初期マップを回る場合、ドゥーペ草原経由のルートを除くとほとんどすべてがこの「メグレズ周り」か「フェクダ周り」のルートになります。
つまり「次のマップへ行くついでに殺される」という事が非常に多い不遇のボスとなっています。
さらにその分岐点はさほどマップの奥でもないので森に入ったキャラクターがちょっと確認に立ち寄るのにもそれほど苦ではない場所になります。
ちょっとメグレズへ行くのに見かけたついでに殺され。
ちょっとフェクダに行くのに見かけたついでに殺され。
やがて誰もメグレズにもフェクダにも行かなくなっているのに、ちょっと覗いて見かけたついでに殺される。
ライオンですら、腹が減っていなければシマウマを襲わないというのに。
メラクは見かけるとついでに殺されてしまいます。
これが真ん中の分岐点ではなく、もう少しどこか偏った場所に湧いていたら、ここまでついでで殺される事は無かったんでしょうけど。
ボスツアーでも不在が多いという理由でメラクは当初省かれることが多いです。
しかしボスツアーが始まってマップに存在が確認されるとこう言われます。
「メラクもいるみたいなので、ついでに倒していきましょう」
決して目標にされるでもなく、アークが欲しいというわけでもなく、弱いのに目立つ場所に湧くので行きがけの駄賃として殺されてしまうメラク。
メラクが絶滅危惧種に入る日もそう遠くないと思われます。
次回予告
森の主を倒し森をさらに奥に進むキャプテンステラ、巨大な虫、殺人ペリカン、人食いペンギンと戦いながら奥に進む彼が目にしたのは巨大な滝。
そしてその滝の主であった。
次回キャプテンステラ第三話:彼はまだ本気出してないだけ
どうしてこうなった?
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